Strategy
CVR+29%を出したABテストの事例

こんにちは、BUPPANコンサルタントの重富です。
今回は興味深いABテストの事例をストーリー形式でお届けします。
火曜日 19:30 蛍光灯が半分消えた会議室
夜のオフィス。蛍光灯がジジッと音を立て、一列だけ点いている。 ZitA シリーズを抱える EC 事業部。会議は "転換率の頭打ち" が議題だった。 マーケ責任者の 山口 は、最後のスライドでこう切り出す。 「返品ポリシーをテストしたいんです。返品期限 60 日・送料着払い で。」 即座に CFO(財務担当)佐伯 の低い声が返る。 「返品コストで利益が溶ける。賛成できない。」 空気が凍った。だが山口は食い下がる。 「数字で決着をつけましょう。2 週間の A/B テスト、粗利がマイナスなら即中止で構いません。」 佐伯の眉が動く。 沈黙の後、彼は首を縦に振った。
テスト開始――"返品期限 60 日・着払い" は賭けか、それとも…
A 案:返品期限 30 日・送料元払い(現行) B 案:返品期限 60 日・送料着払い(挑戦) アクセスの半分が B 案へ流れた。 山口は毎晩ダッシュボードを睨む。 数字はわずかに上向くが、誤差かもしれない。
14 日目 7:18 チャットワークに鳴り響く「タスク完了」の音
朝。山口のスマホが震えた。 [ZitAテスト結果が確定しました] チャンネルにデータ担当のメッセージ。 「サンプル数到達。結果、B 案優勢です。」 PDF を開く手が汗ばむ。 画面に映ったのは、 ZitA SQUARE:CVR +29% ZitA CIRCLE:CVR +94% テスト結果の信憑性を示す信頼度は 95%を超えていた。 経営陣も入る #経営速報 に山口が投下した瞬間、既読が一気に増える。 佐伯 CFO が早々にコメントを付けた。 「返品コストは? 粗利と相殺できるのか?」 山口は用意していた試算図を添付する。 そこでは、利益が大幅に返品コストを上回る数値を示していた。
水曜日 10:00 再び会議室
佐伯 CFO は早口で切り出した。 「返品はコストじゃない。広告より安く売上を伸ばせるレバーだ。今週中に全商品 B 案に切り替えよう。」 開いたままのラップトップに、山口は次の ToDo を打ち込む。 ・返品ポリシー全ページ更新 ・返品理由と返品数を集計し、返品率を減らすために品質改善のループを回す
数字を超えて――顧客の声
切り替えから 2週間後。レビュー欄にこんな投稿が並び始めた。「届く前から安心できたのでポチりました」 「試して合わなきゃ返品できると聞いて、結局そのまま使っています」
山口は思う。 返品ポリシーは壁ではなく、"購入の最後の一押し" だったのだ。
このストーリーで語られている数字は「実話」です。 返品条件は"防御"ではなく"攻め"の施策になり得ます。 誰でもできるこのテストを試してみてはいかがでしょうか。 今回は以上です。