Strategy

「アートとデザインの違い」

どうもー!
BUPPANメンバーの加藤真平です。

僕は三兄弟の末っ子で長男とは14歳、次男とは9歳離れていたこともあり、
生まれ育った家族にはちょっと変わった風習がありました。

それは年に何回か漠然とした『テーマ』で議論をするというもので、
テーマは哲学、政治、芸術、生物など多岐にわたります。

そんな中でも印象的だった一つが、
「アートとデザインの違い」について議論した回がありました。

アートやデザインという単語を耳にして思い浮かべるのは
皆さんそれぞれ違うと思いますが、
僕はアートと聴いてまず最初にイメージするのは、
ピカソやデュシャンなど現実離れした目的の見えない
シュールレアリスムに代表される芸術作品で、
一方デザインと聞くと電化製品の図面のような
工業デザインをイメージします。

前者は自由で混沌とした、後者は規律正しく束縛された印象です。
何が正解かという話ではなく、アート的な思考とデザイン的な思考、
加えてロジカルは思考はそれぞれビジネスに、
ひいてはブランディングに通ずるところがあると思い、
今回はそんな話をしたいと思います。


アート、デザイン、ロジックそれぞれを方法論とした思考は
ビジネスでは既に使われており、
特に「ロジカル・シンキング」は聴き馴染み深いと思います。

ロジカル・シンキングは事象を細分化していく思考法です。
ビジネスで分かりやすく説明すると、
例えば「売り上げが低下している」という結果に対し、
低下前後の購入ユーザー属性を細分化し、
実際に売り上げが低下したのは男性でかつ30代、
40代でありましたと具体化していく作業です。

この作業を多角的に進めることで売り上げが低下した原因を探ります。
当然これは良い結果に対して行うことも可能で、
特に安定的なステージに引き上げる際には効果的とされています。

我々ECではOEMする際に競合製品の分析にも
応用している人も少なくないと思います。

一方、デザイン・シンキングは何かをデザインするという意味ではなく、
あくまでも「デザイン的な思考」というコンテキストで使われます。

といっても何のことだかよく分かりにくいかもしれませんね

そもそも「デザイン」とは何なのかという話になりますが、
辞書の『大辞林』では次のように定義されています。

「行おうとすることや作ろうとするものの形態について、
機能や生産工程などを考えて構想すること。」

つまり、何か目的が先行して存在し、
それを形(プロトタイプ)にする行為だと言えますが、
デザインそのものの目的は、同じモノを量産することでもあります。

そういう意味において、
「同じ」や「共通」といったキーワードが見えてきます。

ではビジネスにおけるデザイン・シンキングはどのようなものかというと、
する思考方法として使われています。

ん、共感?必要あります?
ロジカル・シンキングだけで成り立つのでは?

という意見もあるかもしれませんが、
ロジカル・シンキングだけでは導き出せない答えもあります。


例えば、アンケートという手法はロジカル・シンキングの応用ですが、
ハサミメーカーが売り上げNo.1のハサミを購入した顧客に対して、
このハサミを選んだ理由を尋ねた結果、
「よく切れるから」という回答が最も多かったとします。

そこでそのハサミメーカーは
更によく切れるハサミをリリースしたがそこまで売れなかった。
このようなことはビジネスにはよくあることです。

では何が間違っていたのかというと、
顧客が答えた「よく切れる」という結果が実は、
切った時のこの上ない心地良さという実体験がもたらしていた場合、
それはロジカル・シンキングでは
どうしても辿り着けない答えだからです。

そういったケースにおいて、
共感する思考方法であるデザイン・シンキングは効果的に働きます。

その代表的な手法がペルソナ設定です。
ペルソナを設定し擬似体験をすることで初めて、
実際の顧客が実体験したことに共感する可能性が生まれます。

ただ、デザイン・シンキングはロジカル・シンキングのような
ビッグデータから導き出す答えでない分、
その答えを察知し取捨選択するセンスや感覚が問われるのも事実です。


アート・シンキングは、上二つとは出発地点が全く異なります。

というのも、ロジカル・シンキングやデザイン・シンキングは
不特定多数の人間が同じ答えにいたることを目的にしているのに対し、
アート・シンキングは「違い」からしか生まれません。

アート作品を見て「よく分からない」と感じたことはありませんか?

この分からないということこそがアートがアートたる所以でもあります。

アートはよく、答えが無いと言われますが、
それは絵画にせよ音楽にせよ詩にせよ、
見る側聴く側がそれぞれ異なる体感をすることを前提としているからであり、
アートは往々にしてその「違い」が評価されます。

アートの作成者たる自分が違いを求めて既存の価値を壊し、
新しい価値を生み出す、
まさにイノベーションこそがアート・シンキングに通じます。

課題が何なのかを思考し、今までになかった価値を提案する、
つまり0から1を作り出そうとする思考がアート・シンキングです。

これはブランディングにおいて非常に効果的な思考法ではないでしょうか。
なぜならブランディングも違いを生むこと
(差別化)からスタートしているからです。

差別化をしないのであれば、
ブランドとして擁立する意味がそもそもありません。


アート・シンキング、デザイン・シンキング、
ロジカル・シンキング、それぞれの考え方を話してきましたが、
これらはどちらが優れているというわけでは全くありません。

ブランディングにおいてもアート・シンキングだけでは
当然成立し得ません。

アート・シンキングでイノベーションした価値を、
デザイン・シンキングを通して共通化してユーザーに提供し、
ロジカル・シンキングを通して分析しより
普遍的な価値へと引き上げることで
盤石なブランドへと成長していくことでしょう。



筆者 加藤真平
90日免停で釣りに行けず
モヤモヤしてます

Members Only · Referral

会員になるには、既存メンバーからの紹介が必要です。

BUPPAN!! は紹介制のクローズドコミュニティです。入会希望の方は、知り合いの会員に info@buppan.bz 宛で連絡してもらってください。会員限定の Facebook グループにも同時にご招待します。(紹介者には紹介料 ¥5,000 をお支払いしています)