WIPOで世界の商標・特許を調査する方法

BUPPAN!!コンサルタントの黒田です。
先日、BUPPANウェビナーでAIによる業務効率化の一例としてちらっとWIPO(国際知的所有権機関)の話をしたところ、
「WIPOの存在自体知らなかった」
「使い方を知りたい」
という声を焼肉屋で何人かからもらったので、今日はWIPOについて、簡単な使い方など紹介します。
WIPOは World Intellectual Property Organization の略で、
世界中の国が参加している「知的財産(アイデアやブランドを守る仕組み)のまとめ役」です。
ざっくり言うと、
世界中の特許・商標などのデータを集めている
国同士でルールを決めたり、オンラインサービスを提供している
そんな国際機関です。
僕ら物販事業者にとってのメリットは、
海外ブランドの 商標の状況をざっくり見れる
世界中に出願された 特許情報をまとめて検索できる
そのブランドの実質の支配者が分かる
というところです。
WIPOサイトはこれ
≫ https://www.wipo.int/portal/en/index.html
主に使うのはこの2つです。
Global Brand Database(グローバル・ブランド・データベース)
→ 世界中の商標をまとめて検索できるツール
PATENTSCOPE(パテントスコープ)
→ 世界の特許文献を検索できるツール
Global Brand Databaseの使い方
WIPOトップページにアクセス
メニューから 「Global Brand Database」 をクリック
まずは「そのままの名前」で検索
もし「Happy Sleep Pillow」という名前で枕を売ろうとしたなら、
画面中央の検索窓に Happy Sleep Pillow と入力
エンター、または検索ボタンを押す
これだけで、世界中の商標データの中からヒット一覧が出てきます。
このデータベースには、国際登録(マドリッド制度)や、参加している各国・地域の商標データがまとまっています。
見るポイントは3つ
まったく同じ名前があるか?
似た名前がないか?
どこの国で出願・登録されているか?
基本的に商標は国ごとに権利が設定されるので、アメリカに同じ商標があっても日本で使う分には問題ありません。
ただこれは例外もあり、国際的に認知度の高い名前と同じ名前のブランドを日本で出願しても通りません。
絞り込み機能のざっくり使い方
結果が多すぎる場合は、左側のフィルター(国、区分など)で絞れます。
国(Country)
→ 気になる国(例:United States、China、European Union など)だけに絞る
Status(ステータス)
→ 「Registered(登録済)」が生きている権利
→ 「Expired(期限切れ)」はとりあえず現役ではない
これができれば、ウェビナーでお話ししたようにアメリカ人のふりをしている他国人を見破ることもできます。
また、先日BUPPAN知恵袋の公開質問で、中国で類似商標があった(日本にはない)ことが原因で中国から商品を出荷できなくなったという相談をしていた人がいましたが、これを調べておけばある程度リスクを下げることができます。
PATENTSCOPEでかんたん特許チェック
次はPATENTSCOPEを使った簡単な特許調査についても解説します。
WIPOトップページにアクセス
メニューから 「PATENTSCOPE」 をクリック
PATENTSCOPEは、国際出願(PCT)と、参加している各国・地域の特許文献をまとめて検索できるサービスです。
数千万件レベルの特許文献が入っていて、機械翻訳で多言語表示もできます。
トップ画面に大きな検索窓が出ているので、まずはここに
商品ジャンルのキーワード(例:electric massager)
メーカー名やブランド名(分かれば)
を入れて検索してみます。
結果画面には難しい情報がたくさん出てきますが、
物販事業者目線だと、タイトルと右上の図のタブだけ見れば良いです。図を見て似た形が登録されていたら、弁理士または特許庁の知的財産権相談窓口に相談ですね。
ちなみに特許は商標と違って他国で取られている特許と同じものを日本で新たに取ることはできません。理由は他国で発表された時点で公知例になることで特許性がなくなるからです。
PCTや国際出願の方法を使えば、期間などの縛りはありますが権利範囲を他国まで広げることはできます。
PATENTSCOPEは、深掘りしようとするとけっこう大変なので、僕らの使い方としては、ざっくり危険度レベルを感じ取るものとして使いましょう。
というわけで今回は先日のセミナーで質問の多かったWIPOのざっくりした使い方についてお話ししました。
図解資料も作ったので、興味がある人は見てみてください。
≫ https://docs.google.com/presentation/d/1xyVf6Gpd9Ru5jUqrYNoGjusD9Pb1oa4XcxXm1zTkLx8/edit?usp=sharing