Strategy

情緒についての考察(前哨戦)

こんにちは。猪狩です。
本日のコラムは「情緒」について考察します。
今週、札幌で開催される
オフラインイベントのテーマが
「情緒的な価値の作り方」なので
本コラムは、その前哨戦といった位置づけです。










「情緒を感じる」を僕なりに意訳すると「情報の欠片を読み取り、世界観を構築する」です。
とか言うと、なんだか堅苦しいのでここはライト「想いを巡らす」と表現します。
情報の欠片とは、「ヴィジュアル や 文章 」を指します。
(動画だと、間やテンションとかが出てくるのですが、ややこしくなるので一旦、割愛します。)


つまり、伝え手のヴィジュアルや文章によって、受け手が何かしらの想いを巡らすようなことがあれば、それは情緒です。










そもそも論なのですが
これから「情緒的価値を作ろう!」とした時に
作り手サイドが情緒を感じる事ができなければ、ましてや作ることなんて(表面的にはできたとしても深い部分では)できません。
先ずは、情緒を感じた時に、スルーするのではなく自分の言葉で分解してみましょう!

正直、個人の向き不向きは、、、あると思います。
ですが、訓練により、ある程度の情緒体質になれるとも思ってます。
やはり意識的に情緒的なシャワーを浴びるのが一番良いのかなぁと。
例えば「純文学の小説」「映画や舞台観劇」「子育て」なんかは情緒体質に直結すると思います。
以前、コピー勉強会で「発想体質になろう!」とありましたが
「情緒体質」も基本は同じで「意識的に行う」「たくさん触れる」というマインドが大事です。



とはいえ、小説は長いし、舞台は何を観ればいいのかわからん(小劇場をおすすめします)、子育て、、、落ち着いちゃったし、、、


OKです!ここではシンプルに「歌詞」を考察しましょう!
本日の教材はこちら↓

呼吸を止めて一秒
 あなた真剣な目をしたから
  ここから何も言えなくなるの
   星屑ロンリネス

      (タッチ の歌詞を一部抜粋)

すっごい素敵な歌詞じゃないですか?
「星屑ロンリネス」なんて、どうやったら思いつくのでしょう?
では、意識的に読み解いてみましょう!



(予備知識)
タッチ:漫画家あだち充の代表作。
双子の兄 達也 と弟 和也 /ヒロインの南ちゃん
南ちゃんに想いを寄せている和也は天才野球少年。「南を甲子園に連れて行く」と誓った地区予選の決勝前に交通事故で死亡。兄の達也が、故・和也の意思を引き継ぎ野球をはじめ、、、達也と南ちゃん 切ない青春ストーリー。



さっそく歌詞を考察していきます。(ここからは超独断ですw)

Aパターン / 野球篇


・誰視点? → 南ちゃん
・状況は? → 応援席で達也の試合を見守る



呼吸を止めて一秒
 → 体言止めによって、1秒の価値を最大限に引き出す。

あなた真剣な目をしたから
 → 空気が変わる。緊迫感。

ここから何も言えなくなるの
 → ぐっと祈ることしかできない。(想いが強すぎて「いけー!三振とれー!」なんて応援はできない)

星屑ロンリネス
 → 星 = 応援席で見守る人々。選手にエールを送る存在。
 → 屑 = 月や太陽のような特別な存在ではなく、無数の応援席に座るただ一つの小さな存在
 → ロンリネス= 孤独。
 → 戦う世界を遠くから見守ることしかできない小さな存在。蚊帳の外。


少しでもエールを届けたい。力になりたい。
でもできない。
私は、別世界にいるあなたをただ遠くから見つめ、祈ることしかできないちっぽけな存在。

 

Bパターン / 恋愛篇 (原作を知っていることが前提)


・誰視点? → 南ちゃん
・状況は? → 南ちゃんから達也の告白



呼吸を止めて一秒
 → 南は、ずっと口に出せずにいた達也への気持ちを伝えた。
 → 緊張感が走る。

あなた真剣な目をしたから
 → いつもは ふわふわした性格(を装っている)達也が、急に真面目な顔になる
 → 本当は両思い、、でも弟の死を引きずっている達也は、意図的に南ちゃんとの恋愛関係に踏み込むのを避けている。
 → なぜなら、弟の故・和也が南ちゃんを想う気持ちは、生前から知っていた。

ここから何も言えなくなるの
 → 南も気づいている。わたしたち(南と達也)はたぶん両思い。でも、達也が意図的に恋愛関係に踏み込むのを避けている。

星屑ロンリネス
 → 二人の距離は、手が届きそうで、とても遠い。
 → 星= 達也とのまばゆい日常のいろいろ
 → 届きそうで届かない複雑な思い = ロンリネス


わたしたちはきっと両思い。
でもあなたは、意図的に避けている。
私はそれを知っている。
いつも手が届く距離にいて、とてもとても遠い存在。




(上2つの考察はあくまで僕の独断と偏見ですw)




コピーにも繋がる話なのですが、
歌詞や、演劇のセリフはめちゃくちゃ考えられていると思います。
そこを探りましょう!

制限された文字内で世界観を伝えるために、作者はめちゃくちゃ考えてます。
考えて、考えて、考えて、
消して、書き直して、また消して、また書いて
ようやく作品が完成してるはずです。

この過程をふっ飛ばして
Chat GPTに「情緒的な表現にして」という風潮にならないことを願います。




追伸


参考例に歌詞を考察と書きましたが、ストレートタイプのアーティストはなかなか難しいと思います。
(湘南乃風さんとか、西野カナさんとか)

小沢健二さんとか、スピッツの草野マサムネさんとかは情緒的アーティストだなーと個人的に思います。
草野マサムネさんは表現がアート寄りなので、考察するには取っつきにくいかもしれません..。

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