Strategy
限度見本って何?

こんにちは、BUPPANコンサルタントの小林です。
今回は中国の工場と
後々トラブルにならないための
管理手法である「限度見本」
について解説します。
限度見本は、図面や検品基準書だけでは伝えきれない"合否の境目"を実物で共有するための道具です。たとえば「ここまでがOK、ここからがNG」という感覚的な判断を、両社が同じ現物で合わせます。契約とセットで合意し、双方で社印確認のうえ保管する ―これが基本の考え方です。
なぜ、限度見本を作るのか?
皆さんも中国の工場から商品を仕入れたときに、このような経験はありませんか?
〇 商品が届いたが、傷があった。
〇 中国工場や代行業者に不良があったことを伝えたが、工場から「このレベルのものであれば、弊社では不良とは言わない」と弾き返されてしまった。
〇 中国工場の非を認めるように粘ったが「弊社は欧米にも輸出しているが欧米の販売者からは、このようなクレームは無い。なので、御社に対しても不良補填はできない」と言われてしまい泣く泣くこちらが買い取る羽目に…。
これらの根本原因は、日本側と中国側の基準の明確化ができていないことが最大の要因です。それらの問題を回避するために、取引基本契約書を作成しようというお話はウェビナーやグループコンサルでもお話ししました。但し上記の事例のような「程度問題」については文章だけで表現しきれない場合が多々あります。よって、特に外観の基準合わせの為に限度見本を作成します。
いつ、どうに作る?
作るタイミングは、工場既存品とフルオリジナル品によって異なります。
〇 工場既存品:サンプルを購入した後
〇 フルオリジナル品:量産前の試作品が完成した後
上記のタイミングで商品を最低2個用意します。その2個の商品に「ギリギリOKの傷や汚れ」「ギリギリNGの傷や汚れ」をわざとつけます。そしてその商品を工場に送ったり、訪問の際に一緒に見ます。基準が双方で合致したら紙のタグなどをつけて、双方の押印をします。これで現物基準の完成です。また全く問題のないサンプル=マスターサンプルも双方用意しておきます。こちらも押印があったほうがいいです。
どう活用する?
基準を作っても、実際の生産の際に工場が見ていないのであれば何の意味もありません。
よってマスターサンプルと限度見本の確認が工場で習慣化されるまでは、日本側主導で確認を行った方が良いです。以下は事例とその流れです。
〇 中国工場へ量産の際に訪問。生産開始前に生産ラインの作業者と責任者を集めてみんなでマスターサンプルと限度見本を確認してから作業開始
〇 生産中は常に最終検査員の目の前に置いておき、スピーディーかつ正確に判断できるようにする。
もちろん直接工場に行ければベストですが、難しい場合はwechatなどのビデオ通話でも良いと思います。
3種の神器
限度見本は「取引基本契約書」「検品基準書」とセットにすることで最大限の効果を発揮します。
取引基本契約書については以前ウェビナーでお話しした通り、不良発生時の対応や補填ルールなどが明記してある契約書のことです。取引基本契約書でググるとテンプレがたくさん出てきます。
この契約書の中に、外観基準については双方捺印された限度見本を基準とする旨を記載しておきます。そうすることで、書類だけでは言い逃れができてしまう契約書の穴を塞ぐことができます。
まとめ
以上のように、限度見本は文書だけでは表現できないOKNGラインが一目でわかる手法です。工場にとっても後からトラブルにならないための施策になります。
フローをまとめると、
工場選定
↓
取引基本契約書の締結
↓
サンプル作成
↓
検品基準書の作成
↓
限度見本作成
↓
量産の際にマスターサンプル及び限度見本を確認してから生産開始(訪問orビデオ通話)
となります。
注文ロットや工場とのパワーバランスによって、実施してくれるかどうかはケースバイケースですがまずはこのように工場が対応してくれるかアプローチしてみましょう。
今回は以上です。