Strategy

為替レート

どうもー!
BUPPANメンバーの加藤真平です。

2023年も3月が過ぎまして、私の会社も約8年が過ぎました。
弊社の決算月は3月のため、これより決算資料の準備に入っていきます。
この1年を振り返ってみて、
これまでに無いほど営業が厳しい1年でした。
ですので、あまり喜ばしい決算にはなりそうも無いのですが、
それでもなんとか経営ができているのは
スタッフの皆に支えられてきたからです。

なんて話をしたいわけではありません(笑)

弊社では、今期決算は営業赤字は免れないのですが、
それでも大幅な経常黒字が予想されています。
その大きな要因について簡単にお話しできればと思います。


2022年12月終了時点での試算表データでは、
営業利益マイナス に対し、なんと経常利益が もあります。

どうしてこんなことが起こったかと言いますと、

その理由が「為替レート」です。



2022年2月末にウクライナ侵攻が勃発し、
その時点で115円/USDくらいだったのが
2週間後には大幅な円安がスタートして4月末には130円、
9月には140円を超える円安状況となりました。
そんな厳しい状況の中、弊社では破格の105円というレートで
年間200万ドルの外為取引を継続できています。
しかも1年だけの話ではなく、
4年間合計800万ドルがこの破格レートで取引できます。
これは銀行が提供する「長期為替予約」
と呼ばれるデリバティブ商品の一つです。
一般的には融資とは分けて与信枠を設ける金融機関も多く、
仮に「もう融資はできない」と言われた状況でも
取引可能な場合もあるそうです。
長期為替予約の場合、
与信査定において重要視するのが
ここ数年間の輸入取引額と良好なキャッシュフローだそうです。

この長期為替予約という商品は、
購入(締結)した時点の円ドルの為替相場から一般的には
3年〜7年をかけて更に円高レートで
為替予約ができるという内容のものです。
私のケースでお話しすると、
現在購入済みの長期為替予約は2口あり、
1つは購入時の為替相場が108円程度、
もう一つが104円程度でした。
108円のものは5年間で20万ドル保有しており、
開始が107.5円、5年後で107.2円くらいになります。
104円のものは、5年間で60万ドル保有しており、
開始が103.6円、
5年後には103.4円くらいになる内容にて締結しております。
これらを平均化すると約105円になります。
これだけ見ると、締結した時点と
未来のレートにあまり差がないように思われますが、
仮に購入時点の為替相場が円安傾向
(例えば130円)だった場合には、
この差は大きくなります。

これだけを聞くと、

「長期為替予約って絶対した方が良いよね!」
となりますが、リスクも大いにあります。


実際、ネットで「長期為替予約」と調べると、
リスクについての記事が多く、
長期為替予約によって経営破綻した中小企業も少なくないそうです。
そこで、私が長期為替予約を締結するにあたり、
いくつかの条件を事前に用意したので参考にしてみてください。

1. 締結レートが110円未満
2. 為替予約のドル転期間が半年間猶予がある
3. 為替予約で締結する金額は実際に仕入れる総額の30%以下にする
4. 円転ができる
5. 消滅オプションがない
6. 解約してもペナルティがない


少し解説入れます。

・締結レートが110円未満
これは簡単な話で、ここ10年間の円ドルレートのほとんどが
110円前後であることを理由にしてます。
仮に110円以上で締結した場合、
確実に損するケースが増えるためです。

・為替予約のドル転期間が半年間猶予がある
もし為替予約の期日が〇〇〇〇年〇月◯日と
明確に規定されていたとすると、
絶対にその時に円からドルに振替する必要があり、
リスクは非常に高くなります。
そこで、ドル転する期間に猶予を持たせることで、
リスクを軽減することができます。
例えば、半年間の猶予期間があれば、
販売状況の変動によって仕入れのタイミングが数ヶ月ズレたとしても、
対応することが可能になります。

・為替予約で締結する金額は実際に仕入れる総額の30%以下にする
銀行にもよりますが、長期為替予約で締結できる金額は
仕入れ総額の30%以下になることが自然だそうです。
しかし、銀行によってはリスクを顧みず、
50%くらいまで与信枠を与えてくるケースもあるようで、
そうなると販売状況の変動によりキャッシュを用意できず、
解約せざるを得ない状況が発生することがあります。
そのほかにも、為替変動により為替予約のレートよりも
直物レートの方が円高のケースが想定されますが、
その場合にも仕入れ総額の30%以下にしておけば、
必然的に直物レートでの仕入れも発生するのでリスク回避ができます。

・円転ができる
円転とは、為替予約でドルに変えた預金を仕入れ送金に使うのではなく、
直物レートでまた円に戻す行為を言います。
これは例えば、販売状況の変化により、
年間の仕入れ総額が想定したよりも少なくなった場合でも、
円安のタイミングを見計らって円転することで
為替差益を出すことができます。
為替差益は営業収入に算入できませんので、
その点は注意してください。

・消滅オプションがない
銀行によっては長期為替予約に消滅オプション
というオプション制度を設けているケースがあります。
これは、為替レートとは日々変化するものですが、
そのレートが一定の基準額を超えると
締結したはずの長期為替予約が全て消滅するというものです。
「えっ、それひどくない?」って思いますよね。
こういったオプションの付いている長期為替予約は
往々にして締結レートが魅力的だったりします。
そもそも銀行は外国為替取引所に
自分たちの預貯金額などの信用を担保にレバレッジを効かし、
優位なレートで長期為替予約を締結します。
そこからさらに、我々のような顧客に
長期為替予約という商品を販売することで、
差額を収益としています。

・解約してもペナルティがない
これはいうまでもありませんが、非常に重要ですよね。
キャッシュが回らなくなり、為替予約を実行できないケースや、
今やっている事業自体をやめることだって可能性はあります。
必ず確認したほうがいいです。
私が契約した銀行はペナルティはないが、
今後の与信には影響するとの話でした。

長期為替予約にこれだけの条件が揃っていれば、
相当リスクの低い金融商材だと思います。



私の会社は2020年に長期為替予約の締結をし、
2021年から為替予約の開始となりました。
2019年の仕入れ総額が年間600万ドル程度ありましたが、
2022年の仕入れ額は100万ドルにまで減少したので、
これらの条件がなければ解約に至っていたと思います。
幸い2022年は円安に大きく転じたこともあり、
長期為替予約でドルに変え、そっくりそのまま円に戻すだけで、
3700万円もの膨大な為替差益が出ました。
本当に長期為替予約に助けられた1年でした。

長期為替予約は、今日明日で始めれるものではありませんので、
興味ある方はひとまず取引先銀行などに問い合わせてみて、
ご自身の与信枠と条件面の確認をしてみるといいかと思います。
与信枠だけ確定すれば、
あとはレートの良いタイミングを見計らって締結できます。
ぜひ参考にしてみてください。


筆者 加藤真平
釣り部屋にベッドができました。

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